続・反日デモ

2005年4月16日 日常
先週に引き続き、中国の若者が、がんばっていますな。報道の限りでは90年代の江沢民国家主席時代の「愛国心教育」を受けた世代が、丁度、今回のデモ参加の中心的な年齢層だそうだ。と、ある事を思い出す。2002年に中国に行った際、ガイドと色々と中国の「お国柄」という事を聞く事が出来た。このガイドは孫さんといって、当時の年齢で35歳くらい(だったと思う)。清華大学時代に丁度、天安門事件(89年)に参加し、公務員への道を断たれ、日本の川崎製鉄を経て旅行会社に勤務となったそうだ。ちなみ清華大学と言えば、日本で言う所の東大、京大といった超トップクラスの大学。それはともかくとして、孫さんが言うには、

『現在の中国は、自分(孫さん)より年上の人と若年層(20歳以下)は中国共産党支持だが、自分達の世代は支持していない人が多い』

とのこと。つまり、現在の報道では、さも中国全土が反日デモされているようにも思えるが、ある一定の年齢層に集中しているという事であることに着目しなければならない。さらに報道で知ったのだが、中国の一部の知識階層では、中国共産党の方針に疑問を投げかける人もいるという。ただ、中国では決して公にされない思想であり、もっと言えば「公言できない」ともいえる。

人間は何かを判断する時に、自分の経験や誰かの意見を物差しにする。ある一定の事象を自分に置き換えたり、考えたりして、良い、悪いという事を判断するのが普通だと思う。という事は、今、中国でデモを行っている若者は、報道さている事や孫さんの言う通り「愛国心教育」の中に大きく盛り込まれている「反日」によって、「日本という国は、相当悪い国」だという判断の元、デモを行っている。では、我々、日本人はどうであろうか?まず、日中戦争のことをどれくらい知っているかという事にスコープを当てた場合、如何なる侵略戦争だったかという事を認識している日本人は、意外と少ないと思われる。考えてみれば、今、話題の教科書にしても我々の時代のそれであっても、下手したら数行で終わっていて、場合によっては明治維新まではカツカツ勉強したとしても、それ以降というのは、すっーと流されているからではなかろうか。この時点で、すでに中国側との大きなギャップが生じている。そしてこのギャップは、今の状況を勘案すると百年の計をもっても埋まらないのでは?とすら思う。

結局、相手を悪いと思うのは環境から意外と簡単だという事。その真実を確かめて、トレースし、どうであるかという事は、逆に難しく、忘れてしまうことが多い。それに本当の事というのは、こと中国のデモに関して言えば、日中両国とも誰も教えてくれないともいえるのではなかろうか。よっと、一重に中国の若者を非難するというのも『知らないが故』と考えれば、哀れにも思える。

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