知人が関西から出てきているというので、一緒に昼食をとる事にする。場所は東京ドームホテルの中華ビュッフェ。この友人のお父さんは、とある大学の助教授でバイオの研究をしているらしい。で、友人に

 それでは、学生時代は、理科(または数学)で
 分からないことがあれば、色々と聞けていいね。

と言った所、意外にも、ほとんど教えてもらえなかったとのこと。何故か聞くと、

 分からない所のテキストを持って行くと、問題を見る前に
 『このテキストの器具の並べ方を危険だ!』

と言われ「はい、そうですか。もう結構です」という事になったからだそうだ。友人曰く「自分が研究している能力と人に教える能力は別」ということらしい。なるほどねぇ。

この話は、極端ではあるが、確かに自分が理解している事を人に教えるというのは難しい。途中で「ああ、なんで分かってくれないんだ!」と何度もくじけることがあっても、やはり己のコミュケーション力が未熟であると思うことがほとんどである。例えば、その人が恐ろしく、とある学問について、知識が豊富で権威であったとしても、教える力がないというのは、行く行くは埋没してしまう。数ヶ月前の新聞で、自動車業界は来年度の新卒を大幅に増やすという。主な理由は、自社の技術の継承だそうだ。不景気の折、社員の年齢層にばらつきが出て来ているためで、長期展望だと会社自体の損失(技術力の低下)なるという事らしい。この話を上司と話したのだが、実は技術屋さんだけではなく、我々、事務屋というのも、その会社のノウハウというのは個々で蓄積していて、それを若い社員に受け継ぐというのも重要な業務という。

ただ、最近は色々な規制から、運用自体も複雑になってきて、さらには新しい要件もどんどん入ってくるので、運用が固まらないという問題もある。でも、これは、人に教える前に自分で十分理解しないと行けないという根本の問題である。どうやら、人の事など笑ってられないという事だな。

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