友人日記で、銀行員のおばちゃんの対応が悪く憤慨していたが、金融に身をおく者としては「まぁ、よくある話だよな」と感じる。実は銀行はどんな商売か?あるいは、どうやって稼いでいるかは、余り知られていない。銀行の収益は大きく分けて2つ。

 ・手数料収入
 ・融資による利息収入

銀行も多様化してきており投資信託や保険を販売しているから、荒い要件ではあるが基幹収益といえば、この2つだろう。

ちょっと考えてみる。手数料収入というはの我々が使うATM使用料であったり、振込手数料であったりと割りと簡単に想像がつく。ただ融資の利息収入の原資(つまり貸付金)はどこから来るのか?と考えると、我々の預金であることは言うまでもない。つまり「他人の褌で・・・」という話だ。また、融資にいたっては、こんなことも珍しくない。

どうしてもお金が必要で、近くの銀行に行き、1,000,000円の融資を申し込んだ所、銀行員から「それでは1,000,000円の定期預金を担保に入れてください」

おかしーじゃねーか!と思われるが、実はよくある話。ただ、これではほとんどの人が借りられないという事になるので、よくあるのが「給与振込口座に指定されている」「公共料金の引き落とし口座がある」といった具体的な取引実績があれば、

「1,000,000円貸しますので700,000円は定期預金担保にしてください」

という事になる。具体的な数値を下記の条件下で考えてみる。

 ・1,000,000円の借入利率は5%
 ・700,000円の定期預金は便宜上、利率は0%

年間の借入れ利息は

  1,000,000 x 5% = 50,000

となる。ところが、700,000円は定期預金として使われてしまうので、実際に1,000,000円を借りたとしても、使えるお金は300,000円。もちろん借入金額は、1,000,000円であることには変われないから、上記50,000円の利息を払って300,000円しか使えない計算

  50,000 ÷ 300,000 = 16.66%

となる。ウソのような本当の話。これは企業の財務に関わる者であれば、誰でも知っている話で、表面金利より実際の預金担保を差し引いて計算される金利のことを実効金利という。

http://www.ccsjp.com/shikin/shikin203.htm

こんなバカげたスキームがまかり通る理由は何かといえば簡単。銀行とは、資本主義社会を実質統治しているからに他ならない。こんな絶対に儲かる仕組みにも関わらず、破綻して公的資金が注入されるというのが、その裏づけてもいえよう。また、もし資金決済や給与振込が銀行を介さないとどうなるか?企業が運転資金を調達できなかったらどうなるか?といった事を考えれば明白。つまり銀行のおける預金者向けのプライオリティなど低い。「1口座のみしか開設できない」と言われるのだって、善良な預金者には関係ない。また、昨今、窓口での公共料金支払いをあからさま嫌ったり、振込手続きを預金者のPCで操作させるのも、振込・引出上限金額を設定するのも、表向き「客の利便性」と銀行は訴えているが、本当にそうなのかと思うことがしばしばある。もっと言ってしまえば、こちらに関係なく、自前のリストラクチャリングの一環で銀行同士が合併し、支店を統廃合する。果たしてこれでよいのか?

銀行にもよるが、友人を冷遇した銀行というのは、地方銀行でも大手。余り個人客に顔向けしないで商売しているのはよく言われている。もちろん、おのおの銀行には色があるが、どこの銀行も根源はこのような事情があるには変わりない。

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