先週の話題で書きそびれたのだが、凱旋門賞に出走したディープインパクトが失格となった。このニュースが出てきたのは、先月の半ばくらいだったと思うのだが、ここに来て確定の赤ランプが灯ったといったところか。ただニュースが出た瞬間、失格は間逃れないだろうということは、なんとなしにみんな、わかっていたようにも思える。もし失格とならなければ、わざわざ報道する理由なんてないのだし。発表によれば、今回の原因は、

ディープがフランス遠征中に、咳の症状が出たため治療のため吸引器をディープに装着したところ、同馬が暴れて薬品が寝藁などに散布し、なんらかの理由でディープが摂取したとの事。

これでファン、関係者も含めて「それじゃ、仕方ないですね」という話になるのだろうか?24時間で体内から消える薬品とはいえ最初から禁止薬物だっとわかっていているのだから、当然、寝藁に付着したとなれば、普通は取り除くなど、何らか処置はしただろう。記者会見を見ていて、池江調教師の苦渋の表情を見ればみるほど腑に落ちない。もとより池江調教師は、トゥザビクトリーやステイゴールドで、遠征競馬のノウハウもあるはずだし、こんな単純な監督義務を怠ったようには思えない。

この話の概要を見たとき、どこかでシナリオライターがいて、まあまあの落としどころを発見してプレスリリースをしたと勘ぐってしまう。われわれ、見ている方としても別に馬券を損した訳でもないし、以後、日本での出走に関しては問題がないので、実害はない。競馬ファンは、ただ腑に落ちないという後味の悪さだけが残ることとなった。

競馬は「公正」という大義名分の上に成り立っている。今回はフランスで起きた話だからJRAも「われわれは関係ありません」の一点張りだったが、フランス・ギャロと何らかの取り決めがなされていたとすれば、競馬という存在自体が成立たなくなる可能性だってないことはない。決定は決定としても、顛末がこれでよかったか?という事になれば、話は別になるだろう。日本の場合、競馬というのは、お上が認めた賭博である事には変わりがないが、競走馬の生産という重要な産業を担っている。ディープの凱旋門賞3着というのは、ファンのみならず「日本で生産された馬が、本場の欧州でも成績を残すのだ」という意味合いをも含んでいた。馬券を購入しているわれわれ、ファンは関係のない話ではあるが、今回の事件が競馬世界地図における日本が。今後、どのように影響を与えるか?そちらの方が遥かに重要ではなかろうかと思う。

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