東京放送・半期有価証券報告書
2007年1月14日 日常4.事業等のリスク
(5) 野球興行
今年は、春に野球の国別対抗戦「ワールド・ベースボール・クラシック」で日本が優勝し、その中継は高視聴率を獲得するなど、野球の潜在的な人気は改めて見直された年でしたが、横浜ベイスターズは成績の不振もあって収益の向上には至りませんでした。今後も横浜ベイスターズは観客動員数、放送権料収入、グッズ販売等の動向によりその収益が変動し、当グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
-------------------------
上記は、東京放送(TBS)社の有価証券報告書(半期)から「事業等のリスク」を抜粋。TBSは18年4月1日〜18年9月30日の上半期において、どうやら増益だったらしく、他のセグメント(部門)は軒並み好調で、ベイスターズだけ名実ともに落ちこぼれだったようだ。だいたいテレビ局の通年の当期純利益(税引後利益)は100億〜150億程度。横浜ベイスターズは、非公開会社であるから、単体の財務諸表は公表されていないが、恐らく10億〜20億程度の赤字であると予想される。荒い計算では、TBSはプロ野球球団を抱えていることによって、およそ1割は本業の利益を喰っているという事になる。
よく「TBSになってから、チームが悪くなっている」というい意見があちらこちらであるが、TBSの会社規模からいって、今のベイスターズへの投下資本は、適正だと考えられる。むしろマルハのままであったら、もっと悲惨なシナリオだったかも知れない。また本業の利益を2割、3割と喰うような結果になれば、上記のくだりのように本業を揺るがす事態になりかねない。じゃあ「売っちまえよ」という話になるのだが、今日、日本の企業において、毎年、10億〜20億のカネを捨てても何ともないという会社は、そうそうない。あるとすれば誰でも知っている日本を代表するような会社になると思うが、それなら、企業は広告媒体であるプロ野球球団を所有する意味合いがない。経営というのは、投下される資本については回収が前提になっている。結果、ファンと球団所有企業の温度差として現れることは間違いないであろう。どちらも正しいとはいえないし、どちらも間違っているとはいえない。カネを出している企業があり、カネを出して参加するファンがいる。そのいずれかが、片方を二元論で片付けるのは恐ろしく乱暴な話。
個人であれ、企業であれプロスポーツを持つことがStatusという文化は残念ながら日本にはない。従ってプロ野球が特定の企業が所有することにおいては、残念ながら、上記の話は構造上、やむを得ない。しかしながら、それでいて外資のプロ野球所有は禁じられている。そろそろ柔軟に対応する時期に来ているのではなかろうかと感じる。
(5) 野球興行
今年は、春に野球の国別対抗戦「ワールド・ベースボール・クラシック」で日本が優勝し、その中継は高視聴率を獲得するなど、野球の潜在的な人気は改めて見直された年でしたが、横浜ベイスターズは成績の不振もあって収益の向上には至りませんでした。今後も横浜ベイスターズは観客動員数、放送権料収入、グッズ販売等の動向によりその収益が変動し、当グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
-------------------------
上記は、東京放送(TBS)社の有価証券報告書(半期)から「事業等のリスク」を抜粋。TBSは18年4月1日〜18年9月30日の上半期において、どうやら増益だったらしく、他のセグメント(部門)は軒並み好調で、ベイスターズだけ名実ともに落ちこぼれだったようだ。だいたいテレビ局の通年の当期純利益(税引後利益)は100億〜150億程度。横浜ベイスターズは、非公開会社であるから、単体の財務諸表は公表されていないが、恐らく10億〜20億程度の赤字であると予想される。荒い計算では、TBSはプロ野球球団を抱えていることによって、およそ1割は本業の利益を喰っているという事になる。
よく「TBSになってから、チームが悪くなっている」というい意見があちらこちらであるが、TBSの会社規模からいって、今のベイスターズへの投下資本は、適正だと考えられる。むしろマルハのままであったら、もっと悲惨なシナリオだったかも知れない。また本業の利益を2割、3割と喰うような結果になれば、上記のくだりのように本業を揺るがす事態になりかねない。じゃあ「売っちまえよ」という話になるのだが、今日、日本の企業において、毎年、10億〜20億のカネを捨てても何ともないという会社は、そうそうない。あるとすれば誰でも知っている日本を代表するような会社になると思うが、それなら、企業は広告媒体であるプロ野球球団を所有する意味合いがない。経営というのは、投下される資本については回収が前提になっている。結果、ファンと球団所有企業の温度差として現れることは間違いないであろう。どちらも正しいとはいえないし、どちらも間違っているとはいえない。カネを出している企業があり、カネを出して参加するファンがいる。そのいずれかが、片方を二元論で片付けるのは恐ろしく乱暴な話。
個人であれ、企業であれプロスポーツを持つことがStatusという文化は残念ながら日本にはない。従ってプロ野球が特定の企業が所有することにおいては、残念ながら、上記の話は構造上、やむを得ない。しかしながら、それでいて外資のプロ野球所有は禁じられている。そろそろ柔軟に対応する時期に来ているのではなかろうかと感じる。
コメント