土曜日の話になるのだが、検定のボランティアと別の依頼で活動。詳細は省くが、簡単に言えば「どうしたら効率のよく資料ができるか?」的な相談。使う道具はExcelと自らのアイデア。Excelといえば、我々事務屋の商売道具。最近は電卓にとって代わって主役の座に躍り出ている感すらある。すなわち効率のよく書類を作るには、今の所、汎用性などを考えてもExcel以外の道具は思いつかない。つまりExcelを使いこなせば、かなり効率よく書類を作成することが出来る。そんな話をしているうちに、なんとなくExcel講習となった。そこで「Excelは持っているけど、よく分かりません」という依頼者が、実現したい資料を聞き、適当な例題をつくって、それっぽい表を3分くらいでサクっと作成。すると

 魔法使いみたい!

と依頼者の意外な感想が返ってくる。意外というのも正直、業務で普通に使っている関数を2つだけ組み合わせただけだし、社内では出来て当たり前で、手の込んだ資料でもなんでもない。しかし「Excel持っているけど、よく分かりません」的な人にとっては、自分のキータッチと結果が出てくるディスプレイを見て「魔法使いのみたい」という事だろう。

ふと思う。自分が出来ることというのは、一般の人の多くが出来ることであると錯覚してしまうことがある。例えば、この話で言えばパソコンの中にExcelが入っているだけで、これくらいのことはできて当然だろうと勝手に思い込んでしまうという事。しかし、それは大きな間違えである。同じ道具を持っていたり、同じ単語を知っているだけで、知識やスキルが同じという事は絶対にない。文字にすると当たり前の話だが、実際に教えている瞬間というのは、スッポリ抜け落ちてしまう事というのはある。ここで考えをさらに掘り下げる。簡単に言えば、

 知らなきゃ、教えてもらえば済むだけという事。

逆に反対の立場で、教える方は「なんで、そんな事も知らないの?」という事は決して言ってはならないという事だ。何故なら、知らないことは罪悪ではないからである。当たり前の話である。教える立場の人間が、そのセリフを吐いた瞬間、教わる立場の人間に敗北宣言をしたのと同じだとすら思う。本当に自分が作った資料は本当に大したものではなかったが「決して言ってはならない言葉がある」と、最近、忘れかけていた自分にとっては、かなり儲け物。

mixi上には、色々なコミュニティがある。自分も「経理互助会」というコミュニティの管理人をやっており、登録者は2000人を越えている。十余年、経理業務に携わっている人もいれば、昨日から経理業務に携わったという人もいる。当然、後者の方が初歩的な質問を書くことが多いのだが、それに対して今は少なくなったが「そんなことも知らないのか?」とか「自分で調べろ」的なコメントをする人も結構多い。これだと自分が作った「互助」というコンセプトに反することであるし、こんなコメントは書く意味が1ミリもない。「知っているからエライ」と勘違いをしている事実をさらけ出している悲しい人に感じてならない。教える方は、その事柄を知っているだけ。教わる方は知らないだけ。ただそれだけの話。それに相手が全知全能の神でなければ、簡単に教える・教わる立場なんて事柄によって、すっかり逆転する。つまりエライ、エラくないとは全く別次元という事だ。

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